ロサンジェルス郊外にあるクレアモント大学院に、Mihaly Csikszentmihalyi
ミハイ・チクセントミハイという心理学者がいます。長くて難しいラストネームです。ベストセラー "Flow:The Psychology of Optimal Experience"が有名で、日本では『フロー体験』というタイトルで本も出ているそうです。ポジティブ心理学です。 フローとは、“流れ”を意味していて、彼の研究では、集中が焦点を結んで、散漫さが消え、時の感覚とともに自我の感覚さえも失い、その代わり、行動を制御でき、周辺世界との一体感を感じる心理体験のことをいいます。そして、力が十二分に発揮され、物事がうまくいく状態です。 ロケに出て、ディレクターさんやプロデューサーさん、技術スタッフの皆さん、演者さん、そして取材先の方々やスタジオに集まるエキスパート達と、会い、話し合いをし、一緒に同じ目標にむかって、撮影を進めていく。ロケ先のホテルで朝食を取り、撮影を終え、食事をして戻ってくるまで、あるいは目覚めて眠りにつくまで、常に頭と体を動かし続けていて、疲れているはずなのに、疲れを感じない。初めてのものを見て聞いて、新しいものに触れて、発見していくのが面白くて、それを共有しながら映像に収めていくのが楽しくて、あるいは、想像したものを形として創造していく過程が嬉しくて、時間も忘れてこのままここにいたいという気分にさえなる。 私が体験していたのはフローなんだ。何度も現場にでて、毎回同じことを繰り返しているようで、同じではない。もっとよくもっとうまくと常にチャレンジをしたがっている。チームでいると、失敗すらこわくなくなり、大胆になれることがある。そう、不安がFun ファンになっていくような。仕事なのに、一緒に遊んでいる感覚、冒険している感覚。そしてまたその先の未知に触れたくて、知らないドアを開ける。もう撮影目標以上のところに来ているのに。 ロケだけでなく、その準備段階から、一筋縄では行かないことが多いのに、おもしろがっている、うまくいくと確信がもてたりする。 そんなロケが恋しい昨今です。日本からだれも来られない、感染対策でおとなしいお任せのロケにも、楽しみを見出しています。が!早く、コロナを終息させて、一緒にフローしましょう。
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どちらかというと犬派ですが、 CategoriesArchives
January 2023
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