飛行機の席は必ず窓際です。空からの景色を楽しむためです。 広いアメリカの景色を短時間に楽しむいいルートがあります。コロラド州デンバーとカリフォルニア州ロサンジェルス間の2時間弱のフライトです。雲のない晴天に恵まれることを祈りつつ。 デンバーを飛び立つと、大農場が広がります。そこに不思議な緑色の円形がたくさんあるのに気づきます。センターピボットとよばれる灌漑法で、中央で汲み上げられた水が、まわっていくスプインクラーで散水されます。 緑の水玉模様を見た後は、南北に伸びるロッキー山脈。春は黄色やオレンジ色の花の絨毯、冬は真っ白な雪景色と四季により表情を変えていきます。 ロッキー山脈を横切ると、徐々に赤茶けた荒野が現れてきます。手付かずの自然の絶景がいたるところにみられるユタ州です。火星に来たかと錯覚するような赤土の大地に、奇妙な形の岩や地形、摩訶不思議な世界が広がります。たまにモニュメントバレーの上を飛んでいることもあります。 目を凝らしていると、赤い大地に流れる川に目がとまります。コロラド川の上流です。それは、大きな人工湖レイクパウェルに続き、いよいよその先に現れるのが、グランド・キャニオン。空からみるとその壮大さがよくわかります。大渓谷を削っていったコロラド川が、中央をくねくねと流れています。昔は赤土を含んで赤い川だったのが、今は、上流のダムでせき止めらるため、水色になりました。ノースリムとサウスリムも確認できます。広大なグランド・キャニオンなので、猛スピードで飛んでいる飛行機からもじっくり景色を堪能できます。 西に向いながら、南に向かっていくコロラド川にさよならです。そして、またまた続く砂漠地帯。今度は、低木がひろがるモハベ砂漠。上空からみると、灰色とも茶色とも言える荒涼とした大地。宇宙人がやってきても、UFOがとんできても、おかしくないし、わからない。砂漠地帯にひろがるラスベガスの街もみえたりします。 再び木々生い茂る山が現れます。スキーリゾートがあるサンバナディーノ山脈。ビッグベア湖がみえてきたら、もうロサンジェルスも間近です。なんせ、車で2時間ちょっとのスキーリゾートですから。 すぐに、住宅地がみえてきます。どこまでもどこまでも、山の中腹までも広がる住宅地。どれだけの人が住んでいるのでしょうか。飛行機も徐々に高度を下げていきます。どんどん近くなっていく住宅地や商業施設。なんとも建造物あり過ぎです。遠くに、ロスのダウンタウンのビル群や、ハリウッドサインがみえていたら、着陸間近です。フリーウェイはあいかわらず渋滞する車でいっぱいです。 現在建築中の、フットボールチーム、ラムズのスタジアム、SoFi Stadium。ロスの空港に近づく度に建築が進んでいく様子が確認できます。斬新なデザインのスタジアムの完成が楽しみです。 いよいよ着陸。様々な大自然から、開発が続く文明社会、そして未来への一片が凝縮されたルートのフライトです。機会があれば是非。席は窓際、そして北側を取ることをお忘れなく。
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どちらかというと犬派ですが、 CategoriesArchives
January 2023
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