6月19日は、Juneteenth ジューンティーンス。アメリカで奴隷制度が終わったとされる記念日です。解放の日、自由の日、奴隷解放の日とも呼ばれます。人が人を、白人が黒人を奴隷として使う時代が終わった日。
1862年9月、南北戦争中、当時のリンカーン大統領が、奴隷解放を宣言。1863年の公布で、400万人いた行人奴隷のうち350万人が、南部連合軍を脱して自由の身となりました。逃げ出せなかった残りの奴隷達に自由が訪れたのはまだ後でした。1865年6月19日、テキサスの連合国支配下で、囚われの身であった黒人奴隷達のもとに、黒人兵士を多く抱える北部諸州軍やってきて、やっと奴隷達は解放されたのでした。 数々の闘いや反乱、反逆、抵抗を経て、あきらめることなく、声を上げ続けて、やっと手にした自由。しかし155年経った今もなお、自由のための戦いが終わっていません。歴史的な2020年のJuneteenth、真の自由がすべての人に訪れるため、声を上げ続けましょう。 第二の独立記念日とも言われる日なのですが、実は、まだ国の祭日になっていないのです。殆どの州が祝日と認めてきています。世界の祝日にしようという提案もされています。 6月19日なのに、どうしてJunenineteenth ではなくて、Juneteenthなのでしょう。そんなことは気にしなくていいです。 2020年は歴史的な年。
コロナの世界的蔓延により、多くの人が亡くなり、社会のあり方まで変えてきている。こんなことは、これまであったか。あった。 幾度となくあった。何度も人類を襲ったペスト、まだ人類を脅かすコレラ、100年前のスペイン風邪。ここまで文明化した人類の英知や技術でもっても、抵抗しきれない。また同じことを繰り返している。 人種差別という病原菌は、コロナよりももっと前から、パンデミックの歴史よりも長く、人々の良心を蝕んできた。影に隠れて、多くの命を葬り、世代から世代へとその闇を大きくしていった。権力により分断され、憎悪を背負わされた犠牲者たちは、何度となく、闇から声を上げ、手を延ばして、抵抗を続けては、打ちのめされて。そんな歴史が、この数週間で大きく動こうとしている。コロナよりも危険で許し難い、埋もれていた悪に、人々は気付かされている。自らの良心を信じるパワーが、反撃の声を上げている。人々の怒りのエネルギーがひとつになって、これまで動かすことができなかった壁が揺さぶられている。人々の目と心が開かれ、皮膚の色、出身、性別、年齢、性的指向あらゆる違いが、受け入れられていく、尊くなっていく、そんな社会に誘われていっている、そんな気がする。そうなることを願っている。そして、これが大きな歴史的1ページ。 毎日午後、テレビに顔を出して、コロナ感染状況を報告しているロサンジェルス 郡公衆衛生局局長、バーバラが、人種差別とコロナの黒人への影響について触れました。
亡くなったジョージ・フロイドさんの死を悼み、警察の暴力に怒りを感じていると強い言葉で述べました。平和的に集まり人種差別と暴力へ抗議の声をあげている人々に感謝していると。 そして科学的検知から、黒人への差別とコロナウィルス感染の繋がりについて言及しました。 黒人が、他の人種よりすべての健康基準において低い暮らしをしており、この健康の不平等は、人種偏見と差別によるものであり、個人の行動や習慣を責めることはできないこと。普通の健康と幸せのために必要な医療へのアクセスが制限されている事実があること。そして、日常的な差別と弾圧により、生まれてから生涯続いているストレスが、健康被害を助長していること。黒人の乳児死亡率や黒人妊婦の死亡率が著しい高く、若くして患う心臓疾患、高血圧、糖尿病が、彼らの死期を早めていること。 ロサンジェルスのコロナ感染による死亡率は、10万人に対し9人、黒人になると10万人に対し16人。 バーバラは言います。”毎週コロナ感染者数や死者数の報告で、黒人の数が過度に増加していること報告をしながら、私は、こういった長く続く不平等の結果を報告しているのです。黒人コミュニティーは、次は自分が、そして自分の子供たちや近所の人や友達が、暴力だけでなく健康被害の、次なる被害者になるのではないかと、常に恐怖を感じて暮らしています。過剰暴力や不平等により健康被害がもたらされています。” バーバラが、元黒人プロバスケット選手のカリーム・アブドゥル=ジャバーがロサンジェルス・タイムズ紙によせた言葉を引き合いに出すとき、涙に声を震わせていました。 ”黒人コミュニティーは、黒人であるということは、この国を侵している、コロナウイルスより危険な人種差別のウィルスから、身を守るため、生涯、家に隠れていなければならないということなのかと、自身に問わなければならない。” いつも穏やかで落ち着いているバーバラの怒りと涙は、心に刺さります。 (YouTube の報告内容です。)
1週間前の5月25日に、ミネソタ州ミネアポリスで、ジョージ・フロイドが警察の不当な暴力により亡くなったことに対しての抗議のデモがアメリカ各地で起こっています。平和的なデモがほとんどの中、アナーキーグループやデモ隊と関係ないところからやってくる略奪者による暴徒化で、暴力で混沌とした状況が報道されています。 この週末から、ロサンジェルス 全体で、外出禁止令が発令され、午後6時から翌朝5時まで、外出できなくなりました。コロナ感染予防の外出禁止とは異なり、外出できる理由は、仕事から戻るためや、緊急の医療機関への訪問に限られ、その他の理由での外出は、逮捕となる厳しいものです。ロサンジェルス郡にあるここロングビーチは、今日午後1時から外出禁止となりました。 ロサンジェルス では、4日目に、デモ隊の一部がフリーウェイの流れ、交通を止めるということがおきました。また、警官隊との衝突がおこり、パトカーに火がつけられたり、警官が襲われたりしました。これらは、主にアナーキーグループによるものです。秩序をまもり、計画的通りに出て、効果的にメッセージを伝えるデモの本体とは別のグループです。デモ主催者が、予定し準備したデモに現れては、途中から、行動を別にし、過激な行動にでています。 5日目から、各地で、商店をねらった略奪行為が目立つようになりました。休業要請で閉まっている店内に、押し入り、次から次へと商品を奪って逃げていく様子が、撮影されています。白昼堂々と、そして、夜になっても略諾行為は広がっていく一方でした。スーパーマーケット、ドラグストア、スポーツ用品店、靴屋、ブランドショップなど。ディスカウント商品を扱うお店から高級ブランド品を扱うお店などあらゆる商店が狙われました。 これら略奪を行っている人たちは、そのほとんどが、市外や州外からやってきた人達で、入り口ドアやガラスの壁を破って店内にはいるためのハンマーなどの道具を用意してやってくるのです。SNSで情報を拡散し、その他多くのひとを扇動して、人を呼び、大勢で行為におよぶのです。最初は、デモ隊に混じって、商店に近づいていましたが、ターゲットとなるお店の範囲が広がり、デモ行進とは全く関係ないところで起っていきました。一部の店の店主は、銃を構えて、略奪者の進入を防ごうとしていました。 地元警察だけでは、対応しきれないため、州兵も出動し、町中をパトカーや消防車が走り回り、空は、ヘリが飛びうという物々しい夜でした。1992年に起こった、LA 暴動を思い起こすという声を聞きました。 今日も、各地で平和的なデモが行われています。デモ隊が、暴徒化して、略奪行為をしていると勘違いするような報道が目につきます。しかし、デモにて抗議をしている人たちは、略奪者ではありません。略奪者は犯罪者です。デモは、法律で認められた行為で、デモ隊は、皮膚の色関係なく、一人の命は尊ばれるべきで、権力の乱用による不当な扱いに屈しないと抗議の声をあげる人たちです。 コロナ感染は収束していません。感染が広がることも考えられます。人種差別でこれまで不当に亡くなっている人の命、不当な扱いに苦しんでいる人の基本的な人権には変えられないのです。それだけ、人種差別と警察の権力乱用の暴力による迫害は危急しています。 |
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どちらかというと犬派ですが、 CategoriesArchives
January 2023
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