先日、NHKのドキュメンタリーで、東京湾の見えないゴミ、マイクロプラスチックのことを取り上げていました。細かく砕かれ海に流れ出たプラスチックが、海水中の有害物質を濃縮させ、生物の体内にとりこまれていくという脅威。
もともと自然の恵みである水が、今や大企業の世界ビジネスとなって、それに伴ってペットボトルの生産、消費も増えていってしまった現代。2013年の統計では毎年、アメリカだけで300〜500億本の飲料水用ペットボトルが消費され(世界の消費の60%、ちなみにアメリカの人口は世界の人口の4.5%)、毎秒1500本が消費されているらしいです。さらに、1本のボトル生産あたり、3倍の水が使われるらしく、化学物質が使用されるためその水も再利用は不可能になるといいます。プラスチック製品ですので当然、石油のタイプが原料となるのですが、毎年1700万バレル(ざっと100万台の車両の1年間の燃料とみていいそうです。)が、使われるそうです。リサイクル率は20%前後。考えないといけませんね。 サンフランシスコの空港で気が付いた方もいるかもしれません。グローバル・タップと呼ばれる無料の飲料水供給施設が備えてあります。空港でペットボトルの水を買うと、小さなものでも$4くらいしますので、これは本当にうれしい公共サービスです。しかも、たいがい、空港のセキュリティーチェックにて、まだ十分な水の入ったペットボトルも没収されてしまいますので、なんだか救われた感じがします。でも、なにより、ペットボトルの消費の削減が目的とされているのです。もっと多くの人に、利用してもらいたいです。 そう、その前に、マイボトルを是非持ち歩きたいものですね。プラスチックバッグにとって代わったエコバッグのように。ただ、携帯するのを忘れて、行く先々でマイボトルやマイエコバッグを増やしてしまうのにも、注意したいです。 ちなみに、サンフランシスコ市は今年になって(正確には昨年の終わり)、24オンス(約680ml)以下の、ペットボトル入り飲料水の販売を禁止しました。スポーツイベントなどの例外がありますが、いずれは全面的禁止となっていきます。また、サンフランシスコ市は、犬や猫のほうのペットの売買禁止にも積極的に動いてきています。ちがうペットでも、背景にある企業の利益追求とそれに伴う消費社会の問題は同じです。 グランド・キャニオン国立公園を初めとして、多くの国立公園が、公園内でのペットボトル入り飲料水の販売を禁止しています。過酷な環境の大自然の中で、脱水症状になったらどうするの?大丈夫です。マイボトルを売っていますから、それを入手して、無料の給水所で水を補給します。 いずれの場所でも、プラスチックのゴミの削減など、大きな成果を上げています。当然、財源支出も抑えられているわけです。そこで、ペットボトルの飲料水を販売する大企業が、抗議をしていますから、悲しさとおりこして、呆れてしまいます。 皆さんも、台所の棚の奥に眠っているマイボトルのひとつやふたつあるはずです。再度、活躍の機会を与えてあげてください。
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どちらかというと犬派ですが、 CategoriesArchives
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